クローン病でさらに悪性リンパ腫の病歴がある筆者がマイホームを購入するにあたり、住宅ローンを組むことになりました。
ここで問題になるのが団信でした。
クローン病持ちの自分が果たして団信は通るのか、そしてローンは組めるのか
結論からいうと団信はすべて落ちましたがワイド団信が通り、そこでローンを組むことができました。
クローン病や潰瘍性大腸炎などの持病持ちで住宅ローンを検討している方の参考になれば幸いです。
住宅ローンの事前審査を3つの金融機関に依頼→3つとも団信が通らず
2200万分の住宅ローン 年収的には問題がないはずだった
今回我が家では、2200万分の住宅ローンを組むべく以下の3つの金融機関に事前審査を申し込みました。
- 愛知銀行
イオン銀行
十六銀行
2200万というのは自分の年収から考えると問題なく審査が通る金額でした。 これに加えて、他で組んでいるローンもなく勤続年数も10年以上と、およそ問題なく審査はとおるはずでした、
健康問題を除いて・・・
クローン病と悪性リンパ腫の病歴がネック
自分には持病がある。 消化器官に原因不明の炎症が起こる難病 クローン病と このクローン病治療が原因(の可能性がある)で発症した悪性リンパ腫
どちらも寛解状態で、悪性リンパ腫は治療が終わって5年経っているし、 クローン病も今は飲み薬だけの状態
しかし、保険会社としてはNGだったようで3つの金融機関そのどれもから
団信に入れない⇒融資出来ない
と回答がありました。
団信が通らなくても住宅ローンを組む方法は?
あくまもで問題は団信で、金銭的には問題ないということだったので なんとか団信が通らなくてもローンを組める方法はないか探してみました。
方法1 ワイド団信に申し込む
一般の団信の審査よりも通りやすいワイド団信というものがあります。 団信が入りやすい分、利率が年0.2~0.3%程度上乗せされます。
ワイド銀行はどこの金融機関にもあるわけではありません。申し込みたい金融機関にある場合は調べればすぐに分かるとおもいます。
方法2 フラット35を利用する
自分が団信に加入できないので、団信に加入しなくても借り入れが可能なローンとしてフラット35を利用するという方法もあります。
フラット35とは国と民間の金融機関でやっている長期固定金利の住宅ローンで、特徴としては
- 金利が返済終了まで固定で変わらない
- 団信に加入しなくても借り入れが可能
- 耐震性や省エネ性などが一定の基準を満たすと当初の金利が引き下げられるフラット35Sもある
やはり最も重要なのは2番目の団信に加入しなくても借り入れが可能という点でしょう。
通常は住宅ローンを利用する為には団信の加入は必須なのですが、このフラット35の場合は”原則加入”となっており、加入しなくても借り入れが可能となっています。
通常は団信の保険料も金利に含まれるので、フラット35で団信に加入しなかった場合は金利が0.2%低くなります。
方法3 奥さん名義で借りる
自分が団信に加入できないので、奥さんに団信に加入してもらい奥さんの名義でローンを組むという手もあります。
奥さんが健康でかつ収入もあるという場合はこれでもよいと思います。
そしてこの場合、住宅の所有者も奥さんということになります。
方法4 団信が通るタイミングを見計らって再度申し込む
団信の申し込みの際に書く告知書には以下のような項目になっていることが多い
- 告知日より過去3ヵ月以内に医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか
- 告知日より3年以内に、手術を受けたこと、または2週間以上にわたって、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか
当然正直に書かなければ告知義務違反となり、審査が通っても保険金が出ないケースが少なからずあります。
一方で、聞かれていないことは書く必要がない。嘘や隠し事がなければよいということなので
自分の場合、悪性リンパ腫の治療は5年前に完了している。あとは経過観察中。
クローン病についても8年くらい前から経過観察中だが、投薬を受けているので3年以内に2週間以上の投薬というのは当てはまります。
もしクローン病の投薬が3年間全くなければ書く必要がなくなります。
そのようなタイミングを見計らって再度団信の審査を受けるという選択肢も一つです。
ワイド団信にとりあえず申し込んでみる
上記の選択肢から、我が家はワイド団信に申し込んでみることにしました。
まずはワイド団信に申し込んでみて、それでもダメなら他の方法を検討しようと考えたわけです。
方法2 フラット35 方法3 奥さん名義で借りる
を選ばなかったのは、やはり奥さんへの負担を考えた結果。
どちらのケースも自分の団信は付けられないので、もし自分の身になにかあっても全くなんの保証がないことになってしまう。
奥さんに収入があると言っても、全額負担というのはあまりにも重すぎる。
たとえ多少金利が上がっても、ワイド団信に入っておけば最悪自分の身になにかあってもローンだけはチャラにしてくれる。
これがあるのとないのとを比較した結果の結論がこれでした。
イオン銀行のワイド団信に申し込んだ
一般団信でダメだったイオン銀行にワイド団信があったので、こちらで申し込みました。
イオン銀行の場合、団信の引き受け保険会社が
一般団信 保険会社 | ワイド団信 保険会社 |
---|---|
日本生命 | クレディ・アグリコル生命 |
となっており、保険会社そのものがワイドと一般では異なるようでした。
そしてワイド団信の場合は告知書がこのようになっていました。
一般団信 告知内容 | ワイド団信 |
---|---|
告知日より過去3ヵ月以内に 医師の診察・検査・治療・投薬を 受けたことがありますか | 告知日より過去3ヵ月以内に 医師の診察・検査(検査結果が異常なしの場合を除きます)・治療・投薬を 受けたことがありますか |
告知日より過去3ヵ月以内に 医師の診察・検査・治療・投薬を 受けたことがありますか | 告知日より過去3ヵ月以内に 医師の診察・検査(検査結果が異常なしの場合を除きます)・治療・投薬を 受けたことがありますか |
先ほども書いた申し込みの際の告知内容
ワイド団信との違いは赤字部分です。
検査で通院は定期的ににしているけど検査結果は良好な状態が続いている人
特定疾患などの難病持ちにはこのような人は多いかもしれません。
そしてイオン銀行にワイド団信の審査を申込み、
結果としてワイド団信の審査は通りました。
事前審査も合わせて通り、これで無事住宅ローンを組むことが出来ました。
がん特約はつけたいところだが、当然無理なのでスルー
団信の申し込みの際、がん特約を付けるか聞かれるケースが多いと思います。
がん特約とは金利は上乗せになるが、がんの診断を受けたら住宅ローン残高が0円になるというもの
通常の団信又はワイド団信では死亡しないとローン残高は0円にならないことを考えるとこれは絶対に入っておいた方がよいと思います。
日本人の2人に1人ががんになることを考えても、これを加入しておくべきです。
ちなみに生まれてから告知日までで、一度でも癌になったことがある人はこれに加入できません。
悪性リンパ腫をやった自分は当然入れませんのでここはスルーしました。
自分と似た境遇の人がいた
今回この記事をあげるにあたり、
団信、落ちた
で検索をしてみると、自分と同じような境遇の方がいらっしゃいました。
この方はネフローゼと白内障という病気をお持ちで、非常に苦労なさったはずなのに最後に
「自分は運がいい」
と書かれていました。
好きで病気になったわけでもなく、病気を治療する薬の副作用で病気が増えて、更に団信にも入れないってブログのネタになるじゃん笑
結果としてかなり小さいですが、家は買えて、ブログのネタにもなったので私はおそらく運が良いです笑
思った事を思ったままに書くブログ より引用
なかなかここまで思えませんし書けません。同じような境遇ながら器の大きさに衝撃をうけました。
拾う神あり 世の中まだまだ
病歴があるとローンも組めず家も買えないのかと最初は思いましたが なんとか拾ってもらい家を買うことが出来ました。
病気になると、ただでさせ治療でお金はかかるし仕事も私生活も少なからず影響は受けます。
ただ、住宅ローンが組めた、こんな自分にお金を貸してくれて保険にまで入れてくれた会社がいた。
世の中まだまだ捨てたもんじゃありません。
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