逃げ恥などで取り上げられ、昨今ますます人気の調理家電である電気圧力鍋
数年前までは高価で大きなものばかりでしたが、近年は小型化安価化が進み、2万以下でも十分な製品が出揃っております。
今回はその中でも、前述したように逃げ恥で登場し注目度が高いシロカの SP-D131と、
このジャンルで価格コムで1位のアイリスオーヤマのKPC-MA2とを徹底的に比較していこうと思います。
どちらが良いか迷っている方の参考になれば幸いです。
アイリスオーヤマとシロカの電気圧力鍋 基本スペックと価格
まずは両製品の基本仕様と価格を見ていきます。
アイリスオーヤマ KPC-MA2 | シロカ SP-D131 | |
---|---|---|
価格 | ¥12,600 | ¥13,800 |
満水容量 | 2.2L | 2L |
最高圧力 | 70kPa | 70kPa |
重量 | 3.6kg | 2.7kg |
サイズ | 282×286×213mm | 220×238×249mm |
ポイントは以下
- シロカはとにかくコンパクトで場所を取らない
- アイリスオーヤマは昨年4Lタイプを新発売し、2.2Lタイプは底値まで値下っている
見てもらえればわかるように、シロカの電気圧力鍋「SP-D131」方はとにかくコンパクトで重量も軽い
圧力鍋っぽいゴツさは微塵もありません。
キッチンにあまりスペースがないというご家庭でも気軽に置けます。
一方シロカに比べて一回りくらい大きくなるのがアイリスオーヤマの電気圧力鍋。
大きいといっても全辺30cm未満なので他メーカーのものと比べれば十分小型。
実はアイリスオーヤマ、これまではラインナップに容量2.2LのKPC-MA2しかなかったのですが、
2020年に4LのKPC-MA4を発売し、これに伴いKPC-MA2が3000円程度値下げされて2021年現在ほぼ底値となっております。
結果、以前はシロカより価格が上だったのが、ここにきて逆転してアイリスオーヤマのもののほうがお安く購入できるようになっております。
これに加えて、シロカは2021年正月に放送された逃げ恥に登場した、いわゆる「逃げ恥バブル」で品切れが続いております。
AmazonではこのSP-D131白色が2月末まで在庫なしが続く見込みです。
ちなみにこちらの赤なら在庫があるうえ、白色のものより1000円お安くなっております。
調理モードの比較
ではまず両者に搭載されている調理モードを比較していきます。
シロカの特徴
シロカの搭載モードは以下
- 圧力調理モード(自動)※1 内蔵レシピ数6 ※2 予約調理不可
- 圧力調理モード(手動)
- 予約炊飯
- スロー調理
- 温め直し
「圧力調理モード(自動)」が、メニューからレシピを選択することで加圧から減圧まで自動でやってくれる主な機能であるのに対し、加圧時間を分単位で指定できる「圧力調理モード(自動)」はこのシロカ電気圧力鍋の特徴。
これにより内蔵レシピに含まれないメニューも自由に作ることが出来ます。
スロー調理機能とは、圧力調理は行わないが電気鍋として調理をしたい時に活躍。
こちらも分単位で加熱時間を設定出来ます。
温め直し機能は文字通り冷めた料理を温めなおす機能。
中の温度が90度に達してしばらく経つと自動で保温に切り替わる。
残った分を冷蔵庫に入れて、次の日食べる時に必須の機能となっております。
アイリスオーヤマの特徴
アイリスオーヤマのKPC-MA2の搭載モードは以下
- 圧力調理モード(自動)※1 内蔵レシピ数65 ※一部予約調理可
- 手動調理モード(圧力調理/温度調理/鍋モード/無水調理/ 蒸し調理/低温・発酵調理)
- 予約炊飯
まずは自動で調理を行える内蔵レシピの数が65と非常に多いのが特徴でしょう。この価格帯では考えられないくらい多いです。
具体的なレシピについては以下の記事にまとめました
ただ、実際につかううえでこの項目はそれほど重要ではありません。実際に作るレシピは多くとも5種類程度、そこから具材を変えるなどしてアレンジはしていきますが、内蔵レシピを50も60も使い倒すことはあまりないでしょう。
それよりも、手動調理モードの多さがアイリスオーヤマの電気圧力鍋の強みと言えるでしょう
圧力調理では加圧時間を、温度調理では調理温度と加熱時間を自由に設定出来るので調理の幅が広がります。
そして鍋モード。これは火力の設定だけ行うと、あとは加熱し続けるモードです。
この機能が非常に便利。
純粋な鍋料理はもちろん、冷えた料理の温め直しにも使えます。
鍋として食卓に置いて加熱しながら食べることももちろんできます。
シロカの温め直し機能は使い勝手が良い アイリスオーヤマは多機能ながら使わない機能も多い
シロカにはあってアイリスオーヤマにはないのが温め直し機能。
前述したようにこの機能は一定の温度まで温まったら自動で保温に切り替わるもので、文字通り温めなおしに特化しており非常に便利です。
一方でアイリスオーヤマの電気圧力鍋にはこの機能の代わり鍋モードで温めなおす必要があります。
これは汎用的に使える温め機能で、シロカの温めなおし機能のように自動で保温に切り替わることがないのでそこは人が判断する必要があります。
ただ自動調理モード、手動調理モード共に、アイリスオーヤマの方が圧倒的に多機能と言えるでしょう。
発酵や蒸し調理が出来るのに価格も安いのでアイリスオーヤマが絶対にいいように思えてしまいますが、多機能ということが必ずしも誰にとってもいいとは限りません。
使いやすさを比較
ではここからは実際の使いやすさを比較していこうと思います。
日々の生活で使う電気圧力鍋は、いかに高機能でも使いにくいと一気に存在価値下がります。
多機能なアイリスオーヤマはダイヤルで操作
前述したように、アイリスオーヤマの電気圧力鍋は
65品の自動調理モードと6種の手動調理モードを持っております。
これらの多くの機能を操作するために、ダイヤルと大きな液晶画面を備えています。

操作方法はダイヤル操作でメニューを選択し、決定ボタンで操作を決定する形
多くの機能を持っているにしてはよくよく考えられたインターフェースで、ボタンも液晶も大きくて扱いやすい工夫は見て取れます。
逆に言うと、液晶を覗き込んでしっかり見ながらでないと操作は難しいです。
調理中は液晶画面に残りの調理時間を表示

調理中は液晶画面に加圧から減圧まで含めた残りの調理時間をリアルタイムで表示してくれます。
また現在加圧中なのか減圧中なのか保温中なのかや、調理中のメニューまで表示してくれます。
減圧まで含めた全ての調理工程が完了した時に通知音で知らせてくれる
圧力調理モード(自動)で調理する場合
アイリスオーヤマの電気圧力鍋は、加圧と減圧がどちらも終わった時に初めて通知音が鳴ります。
この音が鳴っているのを確認してできたら、あとは蓋を開けて食べるだけです。
例外としてカレーやシチューなどは減圧後に蓋を開けてルーを入れてかき混ぜる工程を手動でやらなければなりません。これはアイリスオーヤマに限らず大部分の電気圧力鍋がそうです。
ここまで全自動でやりたいのであれば、シャープのヘルシオホットクックを検討してみて下さい
シロカは機能が限られる分操作がシンプル
アイリスオーヤマの電気圧力鍋と比べると機能が限定的なシロカの電気圧力鍋、
しかしそれゆえに操作は非常にシンプルで扱いやすいものになっております。

自動調理の場合は、中央下のメニュー/タイマーのボタンを押す度にカレーから玄米までの項目が選ばれ、作りたいメニューのところでスタートボタンを押す
温めの場合は温めボタン
圧力調理(手動)の場合は圧力調理ボタンを押すだけ
炊飯器を操作するのとほぼ同じような感覚で扱えるので、万人が何の違和感なく直感で使うことが出来るでしょう。
液晶をじっくり覗き込まなくても、ボタンの操作だけでやりたいことがすぐ出来る。
誰が触ってもやりたいことがすぐできる
これは案外どんな機能を搭載することよりも大きなメリットになるのではないでしょうか
調理中は加圧の時だけ残りの時間を表示

調理中は圧力調理中時のみ残り時間を表示します。
圧力を上げている加熱中や、圧力を下げる減圧中には残り時間が表示されません。
減圧まで含めた全ての調理の残り時間が常に表示されるアイリスオーヤマの電気圧力鍋との違いが顕著にでたところになります。
加圧が完了した時点を通知で知らせてくれる 減圧完了は自分で判断が必要
終了通知についてもアイリスオーヤマのものとは異なります。
シロカの電気圧力鍋は加圧が終わった時点で終了となり通知音が鳴ります。
しかしこの時点では釜内の圧力は上がったままなので当然蓋を開けることは出来ません。
減圧は本体蓋にある圧力表示ピンを見て判断することになります。
つまり、シロカの方は減圧を含めた本当の調理完了を人が目で見て判断する必要があるということです。
ちなみに減圧時間は調理内容によって5分から30分程度なので、いつ食べられるかわからないという状態になる可能性があります。
シロカとアイリスオーヤマの決定的な差となりうる液晶表示と終了通知タイミング
これがシロカとアイリスオーヤマの電気圧力鍋との決定的な差とも言えるかも知れません。
アイリスオーヤマの方は、
減圧を含めた全ての残りの調理時間を液晶に常時表示し、ここまで終了した時に通知音で知らせてくれる。ユーザーはこの通知音を聞いたら蓋を開けてすぐ食べられる。
シロカの方は
液晶に表示される残り時間は圧力調理中分のみ。
さらに通知音で知らせてくれるのは圧力調理完了時なので、通知音が鳴った後も減圧完了まで待つ必要がある。減圧完了は圧力ピンを見て人が判断する必要がある。
この差は、この2機種を比較するにあたり大きな差になってくると思います。
安価ながら多機能なアイリスオーヤマのKPC-MA2かシンプルで誰にでも扱えるシロカのSP-D131
これまで比較してきた結果をざっくりまとめる。
- 価格はアイリスオーヤマが¥12,600でシロカが¥17,380と、シロカの方が5000円程度高い
- 本体サイズは一回りくらいシロカの方がコンパクト
- 自動調理/手動調理共に調理モードはアイリスオーヤマの方が多い
- ただし、シロカにしかない「温め直しモード」は一定温度に達したら自動で保温に移行するので便利
- アイリスオーヤマにはその代わりに「鍋モード」があり、温め直しから普通の鍋料理にも使えて便利
- シロカは機能が限られる分操作がシンプル
- 終了通知音がアイリスオーヤマは減圧まで完了した時に鳴るのに対し、シロカの方は加圧が終わって減圧が始まった時点で鳴るので本当の終了が分かりにくい
- 調理中に残り時間を液晶に表示する機能について、アイリスオーヤマの方がわかりやすい
どちらも一長一短のようにも見えますが、ここで価格差が効いてくるのではないでしょうか。
シロカの電気圧力鍋と比べて一方的に劣っているわけではないアイリスオーヤマの方が5000円も安い。コスパがいいのは間違いなくアイリスオーヤマの電気圧力鍋でしょう。
コスパを重視したいという方、機能が多い方がいいという方はアイリスオーヤマ
しかし、サイズやシンプルさを重視するという方にはシロカをオススメします。
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