腰痛

半年で歩けなくなるほど悪化した腰痛、原因はがんだった

自分は29歳の時に癌になり闘病した経験があります。

自分が罹ったのは血液の癌の一種である”悪性リンパ腫”というもので、治療法は主に抗癌剤治療を行いました。

悪性リンパ腫はもちろん癌なので放っておけば命に関わる病気ですが、症状として最初に出たのは腰痛でした。

たかが腰痛と思って最初は甘く見ていましたがまさかこんなに大変な病気が原因だったとは・・・という経験を今回は書いていこうと思います。
同じく腰痛に悩まれている方、悪性リンパ腫で悩まれている方の何かの参考になれば幸いです。

最初は少し気になる程度の腰痛、それが2か月で激痛に

最初に異変に気付いたのは5月。
自分はこれまで全く腰痛というものを経験したことがなかったのですが、ある日突然それを感じるようになりました。
それが1週間たっても消えないので、会社の帰りに整形外科を受診しました。

最初の診断では”ヘルニアではない”という診断しかつかない

最初に受診した整形外科は地元の小さなクリニックで、リハビリ施設などしっかりしているところでした。
腰痛で訪れる患者も多いようで、自分も受診したらまずレントゲン撮影を取り、そこで

”椎間板ヘルニア”ではない

と診断されました。
正直ここで「あなたはヘルニアです」と言われた方がどんなによかったか
それはヘルニアは激痛で有名ですがその痛みのメカニズムもある程度判明しており、実はきちんと治療すればある程度症状の改善は見込めるから。
しかし、以下にあるように腰痛の実に85%が原因不明とのこと。

実は腰痛のうち、原因が特定できる「特異的腰痛」は15%で、残りの85%は痛みの原因がわかりません。

原因不明の腰痛とは、患者さんの訴えが、医師による問診・診察の所見やX線、MRI、CTなどの画像検査の結果と一致しない、つまり科学的に説明できない腰痛です。これを「非特異的腰痛」といいます。

福島県立医科大学教授 大谷晃司 ”約85%は原因不明といわれる腰痛痛みのメカニズムと最新治療”より

結局自分もこの時点では”原因不明の腰痛”としかわからず、病院から処方してもらった薬も痛み止めだけでした。

受診した整形外科でリハビリを続けるも改善せず

そこから3週間、週に2回のリハビリを受診した整形外科で続けました。
しかし症状は一向に改善しないどころかひどくなっているようにも感じました。
その間、テレビやネットで腰痛に効果がありそうなものは色々試しました。
例えば

  • 腰痛の原因はマットレスかも!?腰痛に効果があるというマットレスを購入
  • ひどい腰痛が改善するとテレビでやっていた”ハムストリングスストレッチ”を実施
  • 整形外科でダメなら接骨院に行けば良くなるかも!?整形外科を止めて接骨院に通う

特にマットレスについては、
当時は一人暮らしを始めたばかりで、ベッドもマットレスも変えたばかりのタイミングだったので

腰痛の原因がマットレスってマジであるかも、マットレスを変えれば腰痛解消するに違いない!

と本気で考えていました。

マットレスは効果なく、ストレッチ、接骨院は逆効果

購入したマットレスの効果は正直あまりありませんでした。
効果がないだけならまだましで、

”ハムストリングスストレッチ”と”接骨院”についてはどう考えても悪化しました。

もちろん一般的な腰痛であれば効果がある手段だとは思います。しかし少なくとも当時の自分にとっては完全に逆効果でした。

ただ接骨院については自分に限らず世の腰痛持ちの皆様に対して通院は全くオススメ出来ません。
この件は下記記事にまとめましたので興味がある方はこちらから

腰痛になったら何科に行くのが正解?接骨院は悪化のリスクあり

その頃になると腰痛の症状は日々悪化の一途をたどっており、激痛で仕事もままならず夜に横になっても痛みが和らがない状態でした。
症状は腰に限らず足の方にも来ており、アキレス腱が張ったような痛みでまともに歩けない状態になっていました。

市民病院に行きCT検査をした結果衝撃の結果が

ある日、あまりの傷みに危機感を覚えて市内で一番大きい市民病院を初診で訪れることにしました。

市民病院で初診なので、長く待たされましたがレントゲンとCT検査を受けさせてもらいました。CT検査を受けたのはこれが初めてでした。

そして結果は

背骨が圧迫骨折、股関節の骨も一部消失
神経も圧迫しており、他の背骨もいくつか潰れかけている。


原因は不明だが、骨の強度が落ちている可能性があると。

ちなみにその時医師から言われた言葉が印象的で

よく立っていられるね

でした。
とにかく原因は不明。とりあえず即入院で検査をすることになりました。

入院後の検査で病気が判明

入院した病院の担当医は整形外科で背骨ばかり30年近く見てきたという人でした。そんな背骨の専門家から見てもこんな事象は見たことがないということを言っていたので、
自分の状態がいかに稀であったかが分かると思います。

そして入院後様々な検査を進めていく中で、とうとう腰痛の原因が判明します。

骨生検という検査でとうとう病名が判明 ”悪性リンパ腫”という癌の一種

骨生検という検査は、簡単に言うと骨を取ってその細胞を検査するもので
物理的に病状がある背骨や股関節から骨を抜き取るのでごくごく控えめに言っても激痛です。
そして検査の結果、とうとう病名が判明しました。

病名は”びまん性大細胞型b細胞リンパ腫”

この病気は悪性リンパ腫の中でも進行が中程度の病気になります。

そもそも悪性リンパ腫とは、簡単に言うと白血球の一種であるリンパ細胞ががん化する病気です。
同じく血液の癌である”白血病”は、造血系細胞が骨髄の中でがん化して、末梢血の中に異常細胞(=白血病細胞)が出現する病気となります。

癌の告知を受けた時、正直ホッとした。

検査結果の報告はそのまま”癌の告知”になりました。

しかし告知を受けた時、自分の場合は正直ホッとしました。

長い間い原因不明の激痛に悩まされてきたので、まずその原因がはっきりしたことに安堵したのです。
原因が不明というのは本当に不安で、今進んでいる方向が改善に向かっているのか悪化に向かっているのかも分からず、この先どうなるのか本当に不安でした。
それがとりあえず病名が判明したということで、長く辛い治療ではあっても改善の方向に向いていくということが分かったということ。
このことからくる安堵でした。

また本当に幸いなことに、“悪性リンパ腫”という病気はその治療法が確立されており、しっかり治療すれば”治る”病気であることもわかりました。

治療方針が決まり、抗癌剤治療を始めていく

進行具合は全身に転移していいたのでステージ4となり、段階的には放射線治療ではなく化学療法、いわゆる抗癌剤治療が主な治療方針となりました。

ここから長い治療の日々が始まりました。

治療開始以降については、また別途記事にまとめようと考えています。

市民病院に行くのがもう少し遅かったら最悪の事態も

自分が市民病院に行ったのはある人からの助言でした。
正直その助言がなければ市民病院に行くのが遅れ、発見がもっと遅れていたでしょう。
そしてもし発見が遅れていれば、もっと最悪の事態になっていても全くおかしくありませんでした。

背骨がもっとボロボロになって、寝たきり状態になっていたかも知れないし
悪性リンパ腫がもっと進行して、命を落としていたかも知れない

つくづく、自分は本当に運がよかったと思います。

今回の経験を踏まえ、是非読者の方にお伝えしたい教訓があります。

・腰痛を甘く見るな!酷くなってきたと思ったらCT検査をやってくれるような病院に早く行くこと!
・周りの人の助言は素直に聞く

自分のように”癌だった”というケースは稀だとしても、腰痛は決して甘くは見れません。
やはり近くのクリニックだとレントゲン検査までしかやれないことが多いので、本当に酷くなってきたと思ったら出来るだけ早くCT検査が出来る病院で受診することをお勧めします。
またこういう時はついネットからそれっぽい情報を収集して間違った方に進みがちですが、身近な人からのアドバイスが一番的確であるケースも少なくないので、周りの人の助言は素直に聞くことで状況が好転することは少なからずあると思いました。

本記事が、少しでも皆様の役に立てれれば幸いです。


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